【感想・レビュー】「ファンベース」は個性、価値観を発信して活動する人の必読本だ

Sugar(@Sugarrrrrrrock)です。
今回は先月に発売された佐藤尚之さんの「ファンベース」という本を読んだ感想を書きました。
 

個人ブログを運営している身としてこういったタイトルの本を紹介するのは少し恥ずかしさもあります(笑)
ただ、僕がこれからも個人ブログを運営し続ける上でとても大切な内容が書かれていると感じたので、本の紹介と感想をまとめました。
 
もちろんただ単に「ファンを増やそう」と謳っている本ではありません。
 
商品や企業ブランドのマーケティングを任されている方、
そして僕と同じように個人でブログを運営している方にも必要な「個性」「価値観」を支持してもらいたい方にとって、これからの時代に必要な考え方に触れることが出来る本です。

「ファンベース」感想とレビュー

ファンベースとは

「ファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして(ベースには、土台、支持母体などの意味がある)、中長期的に売上や価値を上げていく考え方だ」
ファンベース-支持され、愛され、長く売れ続けるために 7ページ

 
「ファンベース」は、ファンだけを対象にした「ファンビジネス」ではなく、
1つの事業、1つの商品の土台にファンがいるという前提で成り立っています。
 
既存のファンに対する中長期的な施策があって、その中に新規顧客の獲得や一期間的なキャンペーン施策を打つという考え方です。

ファンは価値観の支持者

ファンベースにおけるファンの定義は「ファン=支持者」
企業、個人、ブランド、商品が大切にしている価値観を支持してくれる人のことです。
 
逆を言うとファンを持つ企業、個人、ブランド、商品には大切にしている価値観があるということ。
 
そのためにはまずファンになり得る人に向けて、自身の価値観をわかってもらえるレベルまで言語化して明記しなければならないと思いました。
 

ファンが支持しているのは未来の価値

ファンが支持しているのは「現在の価値」はもちろん、その延長線上にある「未来の価値」にも強い期待を寄せているから。
 
僕はロックバンドが好きですが、中でもファンと言えるバンドに共通するのがこの「未来の価値」です。
今のままでももちろんカッコ良いけど、それ以上に未来の期待に賭けているから、僕はライブ会場に足を運び続け今も未来も感じられる関係を築いています。
 
逆に今の価値を大事にキープすることだけに目線を向けてしまうと、未来に対するスケールも狭めてしまうし、
これからの展望を共有出来ないと「昔の方が良かった」と言ってファンが離れていってしまうのだと思います。
 

ファンが新たなファンを呼ぶ

「ファンは(熱量の多寡にかかわらず)周りにいる価値観が近い類友に、自分の好きな商品をオススメしたくなるものだ。」

同書 77ページ

 
「類は友を呼ぶ」とはよく言うもので、「ファンがファンを呼ぶ」形が出来れば、二次関数的にその母数が増えることになります。
 
価値観が合って仲の良い友人が読んでいる本や聴いてる音楽は自分も読みたくなるし聴きたくなりますよね。
 
僕がブログでこうして本や音楽を紹介するのは紛れもなく僕自身がファンであるから。
ファンである自分自身が発信することで、読んで下さる方に新たにそのファンになってもらいたいと思ってブログで発信しています。
 
次に僕が取り組むべきは1つ段階を下げること。
 
つまり読者の皆さんに僕の価値観を共有して頂けるような、読者の皆さんが新たな読者の方を呼びたくなるようなコンテンツを作ること。
 
そのために作り手である僕自身の価値観を明確に伝えることを怠ってはならないということですね。
 

ファンの支持を強くするためには : 声を傾聴し、細部を見せる

「ファンベース」において、ファンの支持を強くするためのアプローチとして挙げられているのが以下の3つ。
 
大切にしている価値に対する支持を強くする「共感」
価値を他に真似されない、誰かにとっての特別な体験にする「愛着」
長期的な信頼関係を積み重ね、価値の提供元の評価をアップさせる「信頼」
 
この3つをまとめると “「共感」「愛着」「信頼」を獲得するために、オリジナリティと体験感のある価値を積み重ねて長期的な資産に換えていく” ことがファンの支持を強くするためのアプローチになります。
 
そのための更なるアプローチとして、僕が本書から特に重要だと感じたのが「傾聴する」ことと「細部を見せる」ことです。
 

寄せてくれる言葉を傾聴する

ファンの言葉の中に、企業がまだ気づいていない「共感ポイント」がたくさん隠されている。それをくわしく知ることはファンベースの出発点だ。そこに焦点を当てて改良・改善していくことで「価値」はより高まっていく。

同書 102ページ

ファンベースの出発点は相手の「共感ポイント」を探ること。
 
僕がやるべきは、自分のブログ記事やSNSでの発言にコメントして下さる方から、求めている価値、情報を共感してくれたポイントを見つけ、コンテンツに昇華させていくこと。
そして今あるコンテンツを改善させていくことです。
 
僕はこうしてインターネット上で活動していますが、読者の方々との共感ポイントを感じるのはリアルな現場のことだと考えています。
 
なので僕がファンベースで強化すべきは、参加したイベントのリアルタイムの情報、イベントを追体験出来るな詳細なレポート、自分の経験ノウハウ。
誰にでもわかるような客観性と自身の主観のバランスの取れたコンテンツ作りを磨いていきたいです。
 

素を出す、仕事の細部を見せること。

「それがどんな想いで作られ、どんな人たちの手で育まれ、どこにどう気を遣い、どんな風に大切に作られているのか、きちんと見えるようになっていない。それは信頼を得る大切な機会を失っているに等しいと思う。」

同書 155ページ

顔と感情が見えていないと人は信頼してもらえないし、
こちら側が当然と思っていることも相手側にとってはわからないことも多いと改めて感じました。
 
例えばブログの収益化とかは説明しないとなかなか理解が難しかったりしますよね。
このブログを含めた多くのブログの収入源は広告収入で、
記事中に挿入されている広告や、商品紹介の広告リンクから実際に商品を購入して頂くことによって、それぞれ広告のクリック数や購入金額に応じて報酬が入るという仕組みになっています。
 
もちろんお金だけが目的ではなくて、それ以上に自分の人間味、価値観を理解して頂けるように伝えるのはもっと大切。
自分はまだまだ出し切れていない部分が多いかと思いますが、先日書いた「感情の言語化」という考え方は僕の好きなバンドマンやブロガーから影響を受けた大事な価値観の1つです。
 
少し自分語りを挟んでしまいましたが、作っている人はどういう人でどういう想いでどんな仕事をしているのか。
こちら側から能動的に見せていくことがとても重要だと感じました。
 

まとめ : 「ファンベース」は企業から個人まで、価値観を発信して活動する人が大切にすべき考え方

ということで、今回は佐藤尚之さんの著書「ファンベース」の紹介と感想を書きました。
 
ここまでの内容を改めてまとめます。
 
・ファンベースとは、ファンを土台にした中長期的な施策
・ファン=価値観の支持者
・ファンと共有すべきは今より未来の価値
・ファンが新たなファンを呼ぶ
・ファンからの支持を強くするには、ファンからの言葉を傾聴し、素を細部まで見せること
 
ここで取り上げている内容は本の前半部分が中心で、後半には、
・ファンの支持をより強くする「熱狂」「無二」「応援」を生み出すアプローチ
・ファンベースを中心とした全体的な施策構築のパターン
 
といった、より応用的な方法論が書かれています。
 
ただまず意識して取り組まなければいけないのはここで取り上げた基本的な部分。
内容を何度も確認をしながら、より自分をわかって頂けるようなブログを読んでくださる皆さんと作っていけたらなと思います。
 
「ファンベース」には企業レベルから個人レベルまで、ブランドや価値観を発信する人がこれから大切にしていくべき考え方がまとめられています。
この記事で興味を持って頂けたら是非とも実際の本を手にとって読んでみてください。