Sugar(@Sugarrrrrrrock)です。
個人的な都合ですが、今週は結構ドタバタしてました。なので2日遅れてのCDレビューです。
今回は今月1番楽しみにしてたアルバムを紹介します!
KEYTALKの4枚目のフルアルバム「PARADISE」です!
前作から1年10ヶ月ぶりとなる今作は、5枚のシングルからの既存曲8曲に新曲9曲を加えた全17曲の大ボリューム。
今時15曲以上のアルバムを作るバンドってかなり珍しいと思うのですが、
他のアルバムに比べて長ったらしいと思うこともありませんし、1曲ごとの表情が全く違ってどこを切り取っても面白い。
かつKEYTALKらしくスピーディーに駆け抜けていくアルバムです。
そんなアルバムを一言で表すとすればまさにパラダイス。
これまでダンスチューンを中心に明るく楽しい曲で人気バンドとしての地位を確立したKEYTALKですが、今回は楽しいのはもちろん、メンバーの自由度の高さが聴いていてすぐに感じられます。
メンバー4人全員が作詞作曲を手掛けてやりたい音楽を振り切ってやってる感じがバンドの状態の良さを物語っています。
というわけで、既存曲も含めて17曲、感じたことを書いていきますよー。
感想とレビュー
本当は前置きしておきたいことが沢山あるのですが、そこが長くなってしまうと本末転倒なのでまずは曲紹介からしていきます。
17曲にわたるアルバムの1曲目は今作のリードトラック「Summer Venus」
前作に続いて「夏」「祭り」「ダンス」というKEYTALKのイメージを引き継いだパーティーチューンです。
青春感満載、爽やかなAメロBメロから突如なだれ込むEDMサウンドからパーティー感あふれるサビへつながるところで衝撃を受けたと共にこのメチャクチャな感じに思わず笑ってしまいました。
まぁこれまでのお祭りソングに比べるとロック色が薄い気がしなくもないですが、この曲以降ロック色が色濃く出てる曲が沢山出てるので、今作の義勝曲は本人も言ってる通りポップ方面に振り切れてます。
そして義勝のボーカルが曲を重ねるたびにレベルアップしてますよね。インディーズ、メジャー初期の曲のボーカルと聴き比べたら別人かってなりますよ(笑)
youtu.be
続く2曲目は最新シングル「ASTRO」
リリース直後にこのブログでも記事にしましたが、ロックバンドKEYTALKらしさが存分に詰まった曲です。
ロックバンドとして突き進んできた過去を肯定し、これからも突き進んでいく未来を照らす曲。そしてこれだけのメッセージと勢いとテクニカルな部分を3分に収めるのはKEYTALKにしかできない技だと思います。
今作は特に3分前後の短い曲が多いですね。軽快に心地よくアルバムの世界観が展開されていきます。
3曲目「ダウンロードディスコ」は歌詞を見ただけでわかる武正節。
バンドサウンドとの化学反応が起きる語感の良い独特な歌詞が特徴ですよね。
音に乗る詩であるゆえにバンドサウンドが際立つんですよね。 これは2分切ってます。
4曲目は昨年の夏フェス前にリリースしたシングル「MATSURI BAYASHI」
良くも悪くも第2弾「MONSTER DANCE」感はありますが、Aメロサビのギターとか、イントロのスラップベースとか耳に残るバンドサウンドでただのお祭りチューンにはとどめない辺りは流石ですよね。
ちなみにこの曲は巨匠作曲の初シングルでした。今後他の2人が作った曲がシングルになっても全然驚かないくらい、今作はそれぞれの曲のクオリティーが高いです。
5曲目「パラサイト」は再び武正作詞作曲。こんなに速い曲は久々じゃないでしょうか。
英詞に乗せる2ビートのAメロからの高速4つ打ち。最近のKEYTALKになかったロック色の強い曲です。
そして1サビを終わってから転調を繰り返していく様はまさにジェットコースター。
今までになかったタイプだけどとてもKEYTALKらしい。ライブで騒ぎたくなるような曲は久々だったのでワクワクしましたね。
6曲目は節目の武道館ライブ後のシングル「HELLO WONDERLAND」
武道館を通過点にするために、改めてエンジンに火をつけてよりギアを上げていった曲になりました。
曲名はアルバムタイトルともリンクしますし、次章KEYTALKを感じさせます。KEYTALKの特徴でもあると思うんですが、この曲含めて2番からの展開が好きな曲が多いですね。
7曲目にして初の八木ちゃん作詞作曲の「秘密」はリズム隊が大人な雰囲気の世界観を彩っています。
八木ちゃんの書く詩は見かけによらず大人っぽいんですよね(笑)
今作はもちろんドラムのバリエーションも多彩。この曲のサビのドラムは特にカッコ良いです。
なのにサビはパラリラ言ってるギャップもgoodです(笑)
8曲目「森羅万象」でまたしても武正曲のキャラの強さにやられてしまいます。
アップテンポだけど横揺れ感のある曲。かなり好みです。
特に2番と最後のラップ調パートがすごい。巨匠の歌が最高にクールでカッコ良いです。
義勝のボーカルの成長っぷりに最近は耳を奪われていたけど、今作は巨匠の歌がメチャクチャに良いです。
早くも中間地点となる9曲目「HOROBIRO」はハードコア感満載の超ショートチューン。
過去曲でいうと「物販」枠です(笑)
そしてこの曲を作った八木ちゃんがついにボーカルデビューしてます。(叫んでるだけですが)
この振り切ってる感が今のKEYTALKの強さをそのまま表しています。何やっても良し。誰がどんな曲を作ってもKEYTALKの器に収まってるんですよね。
ここまで武正八木ちゃん曲を中心にロック色の非常に強い、勢いのある曲が続いた前半からポップ色が強く、スケールの大きい曲が目立つ後半へとアルバムの世界観がガラッと変わっていきます。
10曲目は昨年秋にリリースしたシングル「Love me」
もう「HOROBIRO」からの振り幅がすんごいですね(笑) それぞれの曲がいろんな方面に振り切れてます。
この曲は王道ポップス感があるけど楽しく踊れるし、これもやっぱり2分台で駆け抜けていくスピード感が心地よい、とてもKEYTALKらしい曲だと思います。
11曲目「STAY」はこれまた爽やかで、巨匠らしさが詰まってる前向きソングです。
「センチメンタル」「マキシマム ザ シリカ」を彷彿させますね。
そしてこの曲は初期のKEYTALK以来、サビを始め英詞がメインなんです。
やっぱり巨匠の英語詩は映えますね。ワンマンが決まっている横浜アリーナなど大きい会場で響かせて欲しいスケールの広さを感じさせる曲です。
12曲目「Combat Song 」は「HELLO WONDERLAND」のカップリング曲で八木ちゃん作詞作曲です。
サビのツインボーカルの歌い分けがライブで映えそうです。
そしてKEYTALK得意技の後半の転調、この曲でもバッチリ決まってます。
このシングルと次の「MATSURI BAYASHI」で4人作詞作曲で4曲入りのシングルをリリースしたのは結果として大成功でしたね。その集大成としてこのアルバムがあるといった感じです。
続く13曲目「boys & girls」は「MATSURI BAYASHI」のカップリングでありながら、地上波「めざましどようび」のテーマソングにも起用されました。
朝の明るい日差しをそのまま表現したかのような前半と、だんだんセンチメンタルなムードを醸し出していく後半。
冒頭のフレーズから始まってこの曲のギターの表情はこれでもかというくらい豊かです。
ここからさらにポップ色がどんどん強くなっていきます。
14曲目「story」は 「俺の歌に酔いしれな」といわんばかり、巨匠の美声の土壇場です。
ピアノも随所に取り入れてとにかくロマンチックにセンチに仕上がってます。
初めて聴いてウルってきちゃう人も絶対いますよねー。
そしてこの曲でも僕イチオシの巨匠の英詞が炸裂してます。
巨匠に負けじと義勝の優しいボーカルが心地よい15曲目「ミルクティーは恋の味」
甘い…甘すぎるよ…とスピードワゴンも愕然するほどの甘さです。
サビはこのアルバムで1番ポップ。今作の義勝は本当にポップに振り切ってますね。
ちなみにこの曲は「PON!」のテーマソングに起用されています。
あとは「story」もこの曲も1人で全部歌ってるのが印象的ですね。KEYTALKといえばツインボーカル!っていうバンドとしての個性も、この2曲みたいにメンバーそれぞれの個性も見せれるようになったのもパワーアップポイントです。
しかしこの2曲続けてくるのは確信犯ですよ(笑)
そして残すところあと2曲。16曲目「スターリングスター」は今作の中では最も昔の曲で、武道館を明確に意識して作られた曲です。
アルバムになった時は絶対後半の重要な役割を担うと思ってたし、他のシングル曲には無いスケール感でアルバムの劇的なクライマックスへ導いてくれています。
アルバムを通して聴いた時に改めて名曲だと感じましたね。
長いようであっという間だった「PARADISE」の最後を飾る17曲目はその名も「Oh!En!Ka!」
ツインボーカルの良さがいかんなく発揮されている。特にサビ前の掛け合いが良いですね。
最後の2曲でまたグッと、前進するためのパワーをもらえます。
最後はやっぱりこういう曲が良いですよねー。やっぱりハッピーエンドで、この先が見える曲で締めるのが最高だと思います。
バンドとしての目標も、メンバー個人の自由も表現した音楽のパラダイス
全17曲、自分でも聴きながら書いてきましたが、曲平均3分前後で駆け抜けていくので本当にあっという間に感じます。
そして1曲ごとのキャラが明確で様々な要素が詰まりに詰まった今作。
アルバムという単位で考えても間違いなく傑作だし、このままワンマンライブやっても良いんじゃないかというくらい曲の展開もバッチリなアルバムです。
今作、そして前作以降のKEYTALKの最も大きな特徴を挙げると、
それはメンバー4人全員が作詞作曲を手掛け、これまでのバンドのイメージから更に多彩な顔を見せれるようになったということです。
今作が本当に多彩な顔ぶれで飽きない作品になっているのは4人全員が曲を作り、その全てがKEYTALKとして鳴らされるべきクオリティの高さに仕上がっているからです。
前作「HOT!」や、2年前の武道館ワンマンの頃にリスナーが思っていたKEYTALKの曲のイメージは、そのほとんどがベースボーカル義勝くんの作った曲によるものだったと思います。
「MONSTER DANCE」しかり「パラレル」しかり、シングル表題曲は全て義勝作だったし、アルバムもメインは義勝曲でその脇を他の3人が固めている印象でした。
が、今回「PARADISE」で新たに作られた曲の中で義勝作はたったの2曲です。
(既存曲も合わせると7曲ですが)
今作の17曲の作詞作曲の内訳は、義勝7曲、巨匠4曲、武正八木ちゃんが3曲ずつ。
新録曲に限ると2・3・3・2とほぼイーブンになります。
つまり、他の3人の作った曲でもKEYTALKの曲として大きく打ち出せるようになった。十分勝負出来るようになったのが今作で見せた新たな進化です。
そしてこれは間違いなくこれからのバンドの大きな武器になります。
その意味ではこのアルバムは決して集大成という訳ではなく、この先のバンドの伸びしろも提示してくれました。
今作のツアー、そして9月の横浜アリーナでのワンマンライブと、これからも留まることを知らずにロックバンドシーンをリードしてくれる存在になってくれるはずです。
ちなみに今作には初回盤通常盤問わず全ての形態で横アリワンマンのチケット最速先行の応募ができます!
これからも一緒にKEYTALKの躍進に期待し、応援して頂けると嬉しいです。