先日、Zepp Divercityでストレイテナーの「Future Dance TOUR」の初日公演を観ました。
6/12 ストレイテナー@Zepp Divercity セットリスト – SUGAROCK-FESTIVAL
本当にカッコ良いロックバンドだと思っている。
新曲はいつも期待の一歩先を提示している。
結成20年を迎えてもなお、いつまでもスタイリッシュで、それでいて味があって、懐が深い。
「カッコ良いと言えるものをカッコ良いと言える」のがロックだとするのなら、それに最も近いバンドの1組。
今回観たライブは5月にリリースされたフルアルバム「Future Soundtrack」のリリースツアー。
アルバムからの新曲はもちろんのこと、これまでのキャリアを彩ってきた曲が「当時から見た未来=今」に躍動していたライブだった。
過去の曲が未来で踊っていた
フルアルバム「Future Soundtrack」のリリースツアーとなる今回の「Future Dance TOUR」
ツアーのタイトルは、アルバムの1曲目の曲名から取られている。
文字通り、曲調からくる未来感、そしてフロアを心地よく揺らすダンスナンバーが今回のライブで大きな役割を果たしていた。
が、それ以上に印象的だったのは、これまでのキャリアを描いてきた曲が「今という未来」で躍動していたということ。
この点において「Future」と「Dance」を強く感じたライブだった。
「新曲中心のセットリストの中にちょいちょい懐かしい曲が入っている」のではなく、「今鳴らされる昔の曲」が、最新の曲に意味を持たせるマスターピースになっていた。
この日のハイライトはライブ本編の後半戦。
「バンドを始めた頃のうだつの上がらない時期にやってたような曲を、今作ってみました!」
というMCから披露されたアルバムからの新曲「Last Stargazer」からの流れはものの見事だった。
2分弱で颯爽と駆け抜けるファストチューンから続いたのは、2004年のメジャーデビューアルバムの「MAGIC WORDS」
MCで言っていた当時と今がまさに繋がったリレー、ライブでこの曲が聴けて居ても立ってもいられなくなったファンも沢山いたと思う。
アッパーチューンからテンポを落とし、重たいビートを鳴らしたのが、前回のアルバムの「DAY TO DAY」
1日1日、「今までとこれからの狭間」を踏みしめて行くことを歌った曲は、バンドが20周年を迎えた今、更に強いメッセージを放っていた。そして
「DAY TO DAY、今までとこれからの1日1日、1年、10年、15年、20年、あの時から積み重ねた未来が今!」
という曲紹介で、最新アルバムの中核を担う最新鋭のダンスチューン「The Future Is Now」へと繋いでみせた。
youtu.be
圧巻の流れだった。 点と点が1本の太い線でビシッと繋がる感覚。
新曲が昔の曲に新たな意味を持たせ、昔の曲もまた新曲に意味を持たせる。
歌詞の言葉を借りるとまさに「過去も変えていく未来」を目撃したライブだった。
過去も今も最新鋭にしてしまうロックバンド
もともとベースなしの2ピースでスタートしたストレイテナー。
そこからメンバーが3人4人と増えていったのも、アルバム毎にイメージがガラッと変わっていくのも、枠に留まることなく「やりたい音楽を鳴らす」ことが最重要事項にあったから。
絶えず変化を続けることは、良い意味でも悪い意味でもリスナーの期待を超えることになると思う。
ただ、期待の斜め上を行ったとしても決して裏切ることがないのは、アルバムツアーでバンドの最新型を提示する度に、過去の曲もアップデートしていくから。
新曲をスムーズに受け入れられるように昔の曲が機能し、逆に新曲が昔の曲に新たな意味を与えていく。お互いがお互いを求めるように共鳴し合う。
ゆえに結成から20年が経ってもなお、今の最新鋭の姿が1番カッコ良いロックバンド。
今までもこれからも注目して欲しいです。
(ベスト盤の楽曲投票、マジで決めらんねぇ… )
ストレイテナー「Future Soundtrack」をApple Musicで聴く