Sugar(@Sugarrrrrrrock)です。
今回は久々に新譜の感想を書きました。
紹介するのは7/5リリースのMONOEYESの2ndフルアルバム「Dim The Lights」です。
細美武士さんを中心に2015年に結成されたMONOEYES。
もともと細美さんには大前提としてthe HIATUSがあって、MONOEYESはソロから始まったバンドですが、
そのような副次的なイメージはとっくに消え去っているし、
1stを聴いた時に感じた単に楽しく盛り上がるっていうイメージで聴いたら呆気にとられました。
良い意味で期待を上回り続けた全11曲。
バンドとしてメンバー全員とてつもないモチベーションで突き進んでいるのを存分に感じられる臨場感と明快過ぎるバンドサウンドが全身を駆け巡りました。
そんな渾身の1枚、1曲ずつ感想を綴っていきたいと思います。
目次
感想とレビュー
M1. 「Leaving Without Us」
先行して公開されたMVやラジオで流された曲を聴いて、比較的落ち着いていて壮大な曲が多いのかなというイメージを持って聴き始めた今作。
そんなイメージ通りの歌い出しから始まりましたが、そこから何度も裏切られました。
サビの途中でバンドサウンドがドカンと入り、ここから始まると思う間もなく2ビートになだれ込んで、早くも胸騒ぎが止まらない。
サビの細美さんのハイトーンボーカルもエモーショナルに響き、最初から劇的でバンドの風格を見せつけられた1曲です。
M2. 「Free Throw」
youtu.be細美さんの英詞はホントに美しくて力強くて、メロディの乗っかり方も素晴らしい。
「Leaving Without Us」に続いてサビは2段階でドカンとやって来て、
やっぱり今作は一筋縄ではいかない、新たなフェーズに入っているのが伝わってきます。
1stのようにスカッとした疾走感と比べると、一歩一歩大地を踏みしめるように進んでいく感じですね。
M3. 「Roxette」
イントロですぐにわかったスコットさんの曲。
彼のキャラが詰まった曲が3曲アルバムに収録されていることがMONOEYESがれっきとしたバンドとして動いている何よりの証拠。
疾走感と切なさの入り混じったサビ、彩りを添える細美さんのコーラスがまぁ綺麗で、
まだ冒頭3曲ですがすっかり別の世界に飛ばされた感覚になりました。
M4. 「Two Little Fishes」
youtu.be最初のAメロがいかにも細美さんらしい歌詞。
と思ったら、TOSHI-LOWさんと飲みの席で大暴れした時のエピソードが元になっていうそうです(笑)
サビの跳ねる感じも重みがあって良いですね。
夕空のステージで知らない人と肩組みながら聴いてたい。MONOEYESのライブだったら簡単に現実になりそうです(笑)
M5. 「Reasons」
今作の中でも特にクールでシャープな曲だと思います。
この曲もワンクッション緩急つけたサビで、ためてためてやって来る爆発力にこちらのスイッチも振り切れてしまう。
Got to be the reason why I’ll be there
(僕がそこに行く理由は君なはず)
というどストレートな歌詞に乗る疾走感がたまらないですね。
M6. 「Borders & Walls」
前作EPの2曲目でスコットさんの作詞作曲。
イントロからライブキッズがウズウズせずにはいられない、
THE ポップパンクな1曲。
これからもフェスでは鉄板チューンになりそうです。
M7. 「Get Up」
youtu.be先行EPのタイトル曲。
この曲あってのこのアルバムで今のMONOEYESなんだなっていうのが改めてわかる、
もちろんアルバムにおいてもマスターピース的な存在感を放っています。
MVに頼らずも鮮やかな雰囲気が簡単に浮かび上がってきますね。
M8. 「ボストーク」
細美さんの日本語曲、めちゃくちゃ久々ですねー!
この伸びやかなボーカル、10年前に初めて「スターフィッシュ」や「Missing」に出会った時を思い出しました。
Aメロの「ほら」の一言がとにかく暖かい。
万人を笑顔にしてしまう曲だと思います。
M9. 「Parking Lot」
スケールの大きさを感じる曲が多い今作の中で、
特にメンバー同士の緊張感切迫感が伝わって来る1曲。
曲名からもわかる暗がりとコンクリート感(?)、
つまりライブハウスで観たくなりますね〜やっぱり。
M10. 「Carry Your Torch」
スコットさん作詞作曲の3曲目はアルバムのストーリーをクライマックスの高揚感に持ち上げる1曲。
灯りを掲げてこれからも突き進んでいくことを歌ったサビの詞とその後のコーラスを聴いて、バンドの結束力の強さがまじまじと伝わって来ますね。
この2年間でメンバーが歩み寄って、これからまたすごい景色を見せてくれるんだろうなっていう更なる期待を膨らまさせてもらいました。
M11. 「3, 2, 1 Go」
ラストを飾るにふさわしいクライマックス感もあり、終わった後の余韻にも存分に浸ってしまう。
その余韻の理由は、アルバムはこの曲で終わってもその延長線上に道がぼんやりと見えてくるからかもしれません。
We can dim the lights
(あかりを消せる)
We found Innner lights
(自分たちの光を見つけた)
アルバムタイトルにもなった終盤の歌詞がずっと残っています。
この1枚を通して、一人ひとりの心の内側から照らす本物の光の源泉を見つけることが出来る。それだけの力を十二分に感じた11曲でした。
誰も追いていくことなくロックバンドを更新し続ける
なんだかこれまで以上にニュアンスばかりで書いてしまいましたが、
事細かに説明するような方法ではこのアルバムはきっと伝わんないんじゃないかなと思いました。
1枚通して、長年のファンが求める細美さんらしさもめちゃくちゃ感じる作品です。
が、やってることはアップデートし続けている。
今回はそのアップデートの幅が予想をはるかに上回ってきました。
これまでは僕はMONOEYESに対してはELLEGARDENっぽさを求めていたところがあったのですが、それともまた違うし、
芸術作品としての音楽を追求してるのはハイエイタスの方だと思ってたけど、
MONOEYESでも十分追求していますね。
これからもついて来たリスナーを追いていくことなく、ロックバンドの新境地を更新し続けるバンドになっていくという確信が持てました。
…ということもあって、ツアーが取れなかったのが本当に残念でなりません(泣)
なので夏フェスでこのアルバムの曲を少しでも多く感じ取りたいと思っています!