新元号も発表され、2019年も早いもので1/4が経過したというタイミングで、この3ヶ月のニューリリースの中で良かった作品をまとめてみました。
(昨年以上のペースで色んな音楽に触れることが出来ているので、年間ベストだけだと決める段階でタイムオーバーになる気がするのもあってこのタイミングです笑)
今までよりは型にハマらずに選んだので是非チェックしていって下さい。
目次
- 邦楽アルバム
- 邦楽ミニアルバム・EP・シングル
- 洋楽アルバム
- American Football 「American Football(LP3)」
- Bring Me The Horizon 「amo」
- Foals 「Everything Not Saved Will Be Lost Part 1」
- James Blake 「Assume Form」
- The Japanese House「Good at Falling」
- Nilüfer Yanya 「Miss Universe」
- Sharon Van Etten 「Remind Me Tomorrow」
- Solange 「When I Get Home」
- Toro y Moi 「Outer Peace」
- Weezer 「Weezer(Black Album)」
邦楽アルバム
ONE OK ROCK 「Eye of the Storm」
周知の通り大変化の1枚。個人的にはそういう意欲作を作ること自体を評価したいと思っている。それはワンオクに限らず。
とは言え、いわゆる邦楽のバンド音楽ばかり聴いてきたので、音楽的に良いのか悪いのかは分からない。だけどこの曲たちのお陰で、バンドサウンドからはみ出した音楽が自分の中で馴染んできた。楽しめる音楽の幅を一気に広げてくれたアルバム。
Suchmos 「THE ANYMAL」
こちらも大変化を見せた意欲作。個人的にはワンオクとは逆に時系列を遡る楽しみ方を教えてくれる1枚になりそう。試しに親に聴かせてみたらやはりビートルズやピンク・フロイドの名前が上がった。
長尺でスローな曲たちは時間をかけて身体に染み込ませていくのが良いと思う。一方で絞り込まれた歌詞は一瞬で心を掴む。Suchmosらしいロックスピリットは変わらず曲に宿っている。
フレデリック 「フレデリズム2」
終始ダンスミュージック。ただこのアルバムは日本的ないわゆる「踊れるロック」の範疇を大きく超えている。
日本的なダンスロックも海外的なダンスミュージックも彼らなりに落とし込むことで「フレデリズム」というジャンルが成り立つことを再認識させられた。
またこの作品は来年2月の横浜アリーナまで、1年かけて育てる未来の果実でもある。ライブを重ねることで、今の段階では推し量れないポテンシャルが開花していくと思う。
踊れるロックは自分の原体験にある。多様なダンスロックに魅せられて、また春が始まったような気分になった。
King Gnu 「Sympa」
年の始まりから今に至るまでのKing Gnuのバズり方は凄まじい。多くのTVショーで「Slumberland」が皮肉たっぷりに鳴り響く様は痛快だった。
この「Sympa」を提げてメジャーで戦うことを決めたのは、彼らも含めクリエイティブに生きる人達が時代の閉塞感を覚え、救難信号を察知したからだと思う。
ポップミュージックを鳴らすのが目的ではない。この音楽に共鳴する群れが大きくなってから、野望は大きく動き出す。
あいみょん 「瞬間的シックスセンス」
AAAMYYY 「BODY」
iri 「Shade」
3枚とも、女性のソングライターを固定概念で捉えてしまうのはとても勿体ないと思わされた作品。
AAAMYYYとiriのアルバムは音を詰め込まないミニマムなトラックがとても心地よい。あいみょんも作曲の源泉にある弾き語りで楽曲が成立することを、先日の武道館で証明してみせた。シンプルな骨格で曲が映えるのは女性ボーカルの武器なのかもしれない。
光と影だったら確実に後者寄り。クールに今の時代感を音に変換し、かつ自らの価値観、死生観までもが伝わってくる。3人とも自分と歳が近いし、同じ世代として感じてきた空気もこれらの作品には流れているように思う。
THE NOVEMBERS 「ANGELS」
荒々しさと妖艶さと暗さが混ざり合う、従来のノベンバらしさを、最新鋭のバンドサウンドでより一層引き立たせた。
聴いていて”惚れ惚れした”という表現が自然と頭に浮かんできた。細かい考察が出来るほど耳が肥えていないけど本当に凄い作品。
CHAI 「PUNK」
「NEOかわいい」「コンプレックスはアートなり」をより広義に、バンドの精神として根付かせた一言がアルバムのタイトルになった。
7曲目と8曲目を聴いていると、この1年で経験した、世界をフィールドに戦う日本人としてのスケールと懐の深さを感じる。
そして何より、CHAIを”パンクバンド”としてフィーチャーした海外の音楽メディアのセンスが凄い。これからも新しいロック・パンクの価値観をどんどん輸入してきて欲しい。
ハルカミライ 「永遠の花」
「ベイベー」と「ワンツー」がとても似合うバンドなん「だぜ」
中指を立てるのではなく、星のように広い心で抱きしめることがパンクだと話す彼らの優しさが、最後まで止まることなく衝動的に爆発しているメジャーデビュー作。
最後の曲の「憧れはいつかライバルに変わる」って詞が本当にカッコ良いと思います。
その他に聴いたアルバム一覧
・Eve 「おとぎ」
・大橋ちっぽけ 「ポピュラーの在り処」
・OKAMOTO’S 「BOY」
・岡崎体育 「SAITAMA」
・Kenichiro Nishihara 「Elastic Afterwords」
・KOHH 「UNTITLED」
・kolme 「Hello kolme」
・さとうもか 「Merry go round」
・柴田聡子 「がんばれ! メロディー」
・Shin Sakiura 「Dream」
・東京スカパラダイスオーケストラトリビュート集 「楽園十三景」
・ドミコ 「Nice Body?」
・Nulbarich 「Blank Envelope」
・The Birthday 「VIVIAN KILLERS」
・フジファブリック 「F」
・Brian the Sun 「MEME」
・a flood of circle 「CENTER OF THE EARTH」
・Bentham 「MYNE」
・the peggies 「Hell like Heaven」
・ポルカドットスティングレイ 「有頂天」
邦楽ミニアルバム・EP・シングル
Base Ball Bear 「ポラリス」
現体制になって3年、本当の意味で3ピースロックバンドとして生まれ変わった1枚。
3つの楽器の音だけでここまで臨場感を出せるのは他になかなか居ないと思う。メンバーそれぞれの独立した部分と、バンドを動かしていく責任感が演奏に込められている。
骨太に鍛え上げられたリズム隊に乗っかるラップ、3人のボーカル回しと新境地も見せた。バンドとして17才を迎え、大人の青春真っ只中のBase Ball Bearは今まさに絶好調だ。
マカロニえんぴつ 「LiKE」
昨年から押し寄せていた波には乗り遅れたが、これでついに乗せられてしまった。
新手の中毒性を孕んでいるバンドだと思う。
まだ入り口にも立ててないぐらいにしか彼らのことを知らないが、このフィーリングに虜にされた感覚をひとまず捨てずに大事にしていたい。
Track’s 「Always With My Dream」
一瞬で駆け抜けて音だけ後から聴こえてくるような、あっという間だけど「これだ!」って感覚を掴まされる。
不要な部分が削ぎ落とされたファストチューンに心躍らない訳がない。
メロディックパンクの先輩からの期待を浴びながら、若さを振りかざして自由に暴れ回っている今の状態を経て、バンドとしても人間としてもどう大人になっていくのかがとても楽しみだ。
崎山蒼志 「烈走」
衝撃。アコギ一本でスラップベースもツービートもやりますよと言わんばかりの重層感と臨場感と疾走感。
こんなん、1人で3人4人に勝つ時代と言われても仕方ないやん。。。崎山先生どころか崎山八段ですわ。
ストレイテナー「スパイラル」
捻くれ者が捻くれながらも素直な想いを鳴らす。結成20周年アニバーサリーを締めくくった幕張メッセでのワンマンライブ、1番感動したのはストレイテナーのその姿そのものだった。
その最新型がこの曲だ。かつてこんなに素直で分かりやすい言葉で歌ったことは無いのではないか。
同じ場所を辿りながら螺旋状に積み重なっていく。このバンドだからこそ歌える歌にまた一つ救われた思いでいる。
その他に聴いたミニアルバム・EP・シングル一覧
・石崎ひゅーい 「ゴールデンエイジ」
・INNOSENT in FORMAL 「INNOSENT1〜Into The New World」
・ENTH 「SLEEPWALK」
・君島大空 「午後の反射鏡」
・Ghost like girlfriend 「WINDNESS」
・SPiCYSOL 「FREE」
・竹内アンナ 「at TWO」
・FIVE NEW OLD 「WHAT’S GONNA BE?」
・Ivy to Fraudulent Game 「Memento Mori」
・宇多田ヒカル 「Face My Fears」
・THE ORAL CIGARETTES 「ワガママで誤魔化さないで」
・KANA-BOON 「ハグルマ」
・go!go!vanillas 「No.999」
・DedachiKenta 「Remember Me」
・the perfect me 「Dance」
・BiSH 「Small Fish」
・Friday Night Plans, JJJ, STUTS 「PRISM」
・bonobos 「アルペジオ」
洋楽アルバム
American Football 「American Football(LP3)」
Bring Me The Horizon 「amo」
Foals 「Everything Not Saved Will Be Lost Part 1」
James Blake 「Assume Form」
The Japanese House「Good at Falling」
Nilüfer Yanya 「Miss Universe」
Sharon Van Etten 「Remind Me Tomorrow」
Solange 「When I Get Home」
Toro y Moi 「Outer Peace」
Weezer 「Weezer(Black Album)」
先述したワンオクのアルバムがあったことで洋楽への拒否反応が一気に崩れた感があるので、今の自分なりに選ぶだけ選んでみました。
10枚選んだ内訳はバンドが4組でソロが6人という結果に。ヒットチャートや海外メディアの評価を見ても、やっぱりバンド音楽って向かい風なんだなと再実感した気でいます。
海外のバンドは日本のバンド以上に時代の変化に敏感で、バンドでいることの意義だったり納得感との間で闘っているのだろうと。
個人的に今はむしろバンド音楽以外の音楽のカッコ良さにも惹かれている部分もあるので、特に時流に抗うような聴き方はしません。
だけど「自分にとってのカッコ良い音楽は何なのか」という問いに常に向き合いながらこれからも楽しく音楽と過ごしていこうと思います。
これ以降は月単位、週単位でもこのような企画が出来ればと考えています。