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[CDレビュー] yonige 「Neyagawa City Pop」

Sugar(@Sugarrrrrrrock)です。
およそ1ヶ月ぶりのCDレビューですね。
今回手に入れたのは、大阪寝屋川発yonigeの3枚目のCD
その名も「Neyagawa City Pop」です!

タイトルの通り、彼女たちの地元での出来事をリアルに、センチメンタルに、エモーショナルなギターロックに乗せた全5曲。
現在進行形でその知名度を全国区に広げているyonigeの勢いをさらに加速させる作品になっています。
というわけで、レビューという名の聴いた感想を綴っていきますー!

感想とレビュー

寝屋川から全国に発信される「Neyagawa City Pop」の1曲目を飾るのはその名も「our time city」 
今作のリードトラックです。
ドラムのカウントから始まる王道ギターロックはとても感触が良く聴きやすい、
yonigeの音楽への入り口を広げる曲になっていくと思います。
この曲はボーカルで作詞作曲を手がける牛丸ちゃんが高校生時代を遡って詞を書いたそうで、
夜の寝屋川の街で1人思い悩むセンチメンタルな感情と、
「革命の準備だ」という詞に代表される、これからやったるぞという意志の強さを感じさせてくれます。
そしてこの曲の象徴だと思ったのがサビ前の「怖くないさ ぼくら1994だから」という部分。
yonigeの2人は僕と同じ1994年世代
同世代のロックバンドがこれから革命を起こすんだと歌ってるんだから否が応でもグッときました。
今後の躍進をますます期待させる1曲、もっと同世代を巻き込んでいって欲しいと思わせてくれる1曲です。
そして2曲目が先行してMVが公開された「さよならプリズナー」

youtu.be
過去の恋愛の後ろめたさから逃れられないことを牢屋の囚人(=プリズナー)に例えた1曲。
この曲も言ってしまえば王道ですね。言い換えれば掴みには最高ということ。
ガールズバンド離れした疾走感と力強さに加えて、
随所におおっと思わせるフレーズが散りばめられています。
1番2番の対照的なAメロも面白いですね。
この曲に限らずyonigeの曲はAメロの雰囲気が素晴らしいなと思っています。
裏で響いてるごっきんのベースラインもカッコ良いんですよね。
そして余談ですが、このMVから、彼女たちが「右弾き左打ち」という事実も明らかになりました(笑) 良いスイングしてますね(笑)
・・・
はい。続いて3曲目は「悲しみはいつもの中」
ここからyonige節がさらに炸裂していきます。
この曲は恋愛のことはもちろん、それ以前の人間関係の難しさに悩む姿が描かれてます。
僕も決して人付き合いが上手い方ではないので(笑)、胸にくる詞が多いですね。
この曲のサビは個人的にこれまでの曲の中でも1番エモくてセンチに聴こえました。
最後のサビの直前のギターの音をあえて外した感じにしているのがネガティブさを引き立てている様で上手いと思いましたね。
そして歌詞に出てくる「普通の幸せとは?」「普通の日常とは?」という問いかけ、
きっと答えのない話だとは思うけど、この答えを追い続けていくこともyonigeというバンドの大きなストーリーになっていくと感じました。
4曲目「しがないふたり」もyonigeらしさが詰まった曲。
この曲は冒頭からかなりポップな曲調で展開していきます。言うなればユルい感じ。
雰囲気もそうだし歌われている世界観もどこか客観的です。
それこそ「アボカド」とか「恋と退屈」の時と比べたら幾分落ち着いている、
2年前の恋愛観の変化なんかも感じられるのではないでしょうか。
ただ、この曲はポップな曲調から最後アウトロでいきなりゴリゴリなロックサウンドに変わるんですよ。このギャップがスゴい。
未練がましさを無理やりでも振り切って前へ進もうとしている姿勢をそのままイメージしたようでグッときましたね。
そして最後の5曲目はスローテンポで締めくくる「最愛の恋人たち」
これはもう曲名がセコいですよ。「最愛」の恋人「たち」だもん、矛盾しとるがな(笑)
牛丸ちゃん本人も「最低で最高な歌詞」と言っています(笑)
この曲は最後のフレーズが全てを物語っています。
これまでの4曲を、さらに言うならこれまで作ってきた曲を総括しているような気さえします。
「our time city」がyoigeの表の外の部分だとしたら、そこから「最愛の恋人たち」までどんどん内面に入り込んでいく流れも良いです。
やっぱりCDで通して聴いて欲しい5曲、もちろん捨て曲なんてありません。

 「さよなら」が過去と未来を繋ぎ更なる飛躍を期待させる

今回の「Neyagawa City Pop」は現在凄まじい勢いで知名度を上げているyonigeにとって、
バンドが今後キャリアを伸ばしていく中で1つターニングポイントとなる作品になりそうです。
今作は過去の2作と比べても心情がかなりリアルに吐き出されています。
その詞が乗るのはガールズバンド離れした力強いギターロック。
ライブ感も、今作に込めた攻めの姿勢もこれでもかという位に感じます。
また、今作はバンドのこれからに対する強い想いも存分に感じられました。
yonigeの曲は恋愛の歌がほとんどだから「これまで」を歌った曲が多いけれど、
「our time city」を筆頭に今作からは「これから」の野望も伝わってくる。
そして、これまでとこれからを繋ぐのは「さよなら」です。
この言葉の数だけこのバンドは成長していくはず。
思えば先月末のアジカンの「ソラニン」の名カバーも必然だったように感じます。
今回地元を作品タイトルに冠したのも、地元でのことに区切りを打とうとしているからなのかなと思います。
寝屋川を飛び出していよいよ全国に飛び出して革命を起こす準備はもう出来てるでしょう。
この作品をひっさげてyonigeはますます人気を帯びていくのは間違いありません。
同じ1994世代として、今作の曲と言葉は本当に響きました。
これからも同世代のバンドからパワーをもらいたいし、それ以上にパワーを与えていきたいと思います。
まだミニアルバムとEPで3枚ですから、これを機に沢山の方に追って行って欲しいバンドです。
配信もレンタルもおそらく無いので是非CDを手に取ってチェックして頂きたいです!
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